新電力会社のメリットとは?デメリットに対する対策や新電力会社の特徴も解説
新電力会社とは、電力自由化以降、新たに参入した小売電気事業者です。
この記事では、新電力会社に乗り換えるメリットや新電力会社が台頭してきた背景について解説します。
また、新電力会社に乗り換えるデメリットとその対策についても詳しく取り上げますので、新電力の導入を検討中の方やコスト削減に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
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新電力会社とは
新電力会社の概要
新電力会社とは、電力自由化以降、従来の大手電力会社以外に参入した小売電気事業者を指します。
電力自由化により、電力の小売業への参入が全面的に自由化され、さまざまな企業が電気の販売に参入することが可能になりました。
新電力会社が台頭してきた背景
2016年(平成28年)4月1日以降、電気の小売業に参入が全面自由化されました。
これにより、従来、地域ごとに独占的に電力を供給していた大手電力会社に対抗できる新しい電力会社が登場しました。
また、2000年3月に電力自由化が始まった際は、口座やデパートなどの限られた業種にしか参入が許されていませんでしたが、電力自由化の拡大に伴い、小売電気事業者の登録数も増加しました。
電力自由化の背景
電力自由化は、電力の安定供給や電気料金の抑制を目的としています。
資源エネルギー庁のWebサイトによれば、電力自由化の目的は次の3つです。
- 電力供給の安定確保
- 電気料金の合理化と低減
- 電力市場の活性化
このような背景から、新電力会社が台頭し、消費者に多くの選択肢を提供するようになりました。
新電力会社に乗り換えるメリット
新電力会社に乗り換えるメリットは多岐にわたり、以下の点が挙げられます。
電気代が安くなる
新電力の参入により、価格競争が活発化しました。
多くの新電力会社が大手電力会社に対抗すべく、値下げやお得な電力プランを提供しています。
このため、新電力会社に乗り換えることで、従来よりも安い電気代を享受できる可能性が高まります。特に、大手電力会社からの切り替えを促進するため、新電力会社は競争力のある価格設定を行っていることが一般的です。
ガスやインターネットなどのセット割がある
新電力会社は、電力事業に限らず、ガス会社や通信会社、旅行会社などと提携し、セット割のプランを提供しています。
これにより、電気代だけでなく、ガスやインターネットなどの固定費も節約できる可能性があります。一つの契約で複数のサービスをまとめて利用できるため、総合的な家計の支出を削減する手段として魅力的です。
ポイントサービスが利用できる
一部の新電力会社では、電気代の支払いに応じてポイントを付与するサービスを提供しています。
これらのポイントは、次回の電気代支払いに利用することができ、実質的な割引として活用できます。また、一部の新電力会社では、OA機器や家電製品のポイント還元プログラムも実施しており、業務に必要な機器をお得に購入できる場合もあります。
さまざまなサービスを利用できる
新電力会社の中には、電力供給だけでなく、さまざまな付加価値のあるサービスを提供するところがあります。
例えば、水回りのトラブル対応や省エネ診断など、住宅や事業所の運営に関連するサービスを提供する新電力会社も存在します。
特に省エネ診断は、企業の光熱費削減や収益確保に大きく寄与することが期待されます。
環境問題に貢献できる
再生可能エネルギーによって発電された電力を多く扱っている新電力会社なら、環境への貢献も期待できます。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用することで、二酸化炭素排出を抑制し、環境への負荷を軽減できます。
環境問題に関心が高い個人や企業にとって、新電力会社は持続可能な選択肢となります。
さまざまなプランから自社に合ったものを選べる
新電力会社は、さまざまな電力プランを提供しています。
これにより、自社の業務内容や消費パターンに合わせて最適なプランを選択できます。
無駄な電力の利用を抑え、電気代を最適化することが可能です。
また、一つの新電力会社に高圧電力の契約もできる場合があり、大規模な企業や施設にも対応できる柔軟性を持っています。
新電力会社に乗り換えることで、これらのメリットを享受し、電気利用に関するコストを削減できるでしょう。
しかし、デメリットや注意点も存在するため、次にそれらについて詳しく説明します。
新電力会社に乗り換えるデメリット
新電力会社に乗り換えることにはいくつかのデメリットが存在します。これらのデメリットについて詳しく説明します。
自分で電力会社やプランを検討する必要がある
新電力会社は多くのプランを提供しており、それぞれ異なる価格設定や契約条件を持っています。
そのため、乗り換える際には自身のニーズに合ったプランを選び抜く必要があります。
このプラン選定には時間と労力がかかり、適切な選択をするためには情報収集や比較が欠かせません。デメリットへの対策として、電力会社の電気料金シミュレーションや比較サイトを利用することがおすすめです。
違約金が発生する場合がある
一部の新電力会社では、契約期間内に解約する際に違約金が発生することがあります。
契約日から日が浅い場合や、早期解約する場合には、高額な違約金が課されることがあります。
ただし、新電力会社の中には違約金を設定していないところも多いため、契約前に注意深く契約条件を確認することが重要です。
デメリットがある一方で、新電力への切り替えによって実現できる電気料金の節約分を考えるとお得になる場合もあることを考慮しましょう。
賃貸物件の場合、新電力会社を選べないことがある
一部の賃貸物件では、大家や管理会社が電力会社を指定している場合があります。
このような場合、入居者が新電力会社に切り替えることが難しいことがあります。
賃貸契約をする前に、電力会社についての条件を確認し、新電力会社を選択できるかどうかを確認することが重要です。
また、新電力を検討する際には、賃貸契約に関連する制約を事前に確認しておくことが大切です。
電気料金が高くなる場合がある
自分に合ったプランを選ばない場合、新電力会社に切り替えた結果、電気料金が高くなる可能性があります。
新電力会社のプランによっては、特定の条件を満たすことで割引が受けられる場合もあるため、注意が必要です。
デメリットへの対策として、電気代が高くなるリスクを減らすために、事前に十分なシミュレーションを行うことが重要です。
倒産や電気事業から撤退する可能性がある
新電力会社は民間企業であり、他の産業と同様に経営リスクが存在します。
倒産の可能性や電力事業からの撤退も考えられます。
しかし、こうした場合でも心配はいりません。
なぜなら、倒産しても電気は供給され続け、次の電力会社が決まるまでに大手電力会社が電力供給を担当する仕組みが存在します。
従って、電力供給の安定性は確保されています。
これらのデメリットと対策を考慮し、自身の状況に合った判断をすることが重要です。
新電力会社に乗り換える際には、デメリットとメリットをバランスよく評価し、適切な選択を行いましょう。
新電力会社の特徴
新電力会社の特徴について詳しく説明します。
電気の品質は変わらない
新電力会社が提供する電気は、大手電力会社が提供するものと同じ品質です。
電力の品質や供給の安定性に関しては、変化はありません。
新電力は、地域電力会社の送電設備を使用して電力を一般家庭や企業に供給しており、そのため品質についての心配は不要です。
停電したら大手電力会社から電力が供給される
新電力会社を選んだ場合、停電のリスクが高まるわけではありません。
停電が発生した場合、地域ごとに電力供給を管理する送配電部門が存在し、不具合や災害などで停電が発生した場合は、大手電力会社や他のエリアから電力供給が行われます。
つまり、新電力会社を選んだからと言って、停電のリスクが増加することはありません。
切り替えに工事は不要
新電力会社に切り替える際、特別な工事は必要ありません。
一部の新電力会社は、従来の電力メーターをスマートメーターに切り替える必要がある場合がありますが、この作業は新電力会社によって無料で提供されることが一般的です。
スマートメーターの交換作業も比較的簡単で、通常は10~20分程度で完了します。
したがって、新電力に切り替えても、工事費用や手間を気にする必要はありません。
これらの特徴により、新電力会社への切り替えは比較的スムーズで、電力供給に関する品質や安定性については心配しなくても良いと言えます。
新電力の選択肢を検討する際には、これらの特徴を考慮に入れることが重要です。
新電力会社が安く電気を提供できる理由
新電力会社が電気を安く提供できる理由は、以下の要因によります。
設備投資の不要性
新電力会社は、電力発電設備や送電設備を自社で所有・運営する必要がありません。
代わりに、大手電力会社の送配電設備を借り受けて電力を供給します。
これにより、莫大な設備投資や運用コストが削減されます。
また、新電力は設備の保守・更新費用を負担する必要もありません。
そのため、大手電力会社に比べて経営コストが低いため、競争力のある電力料金を提供できるのです。
小規模での運営
新電力会社は大手電力会社に比べて小規模な場合が多く、地域や特定の顧客層に焦点を当てた運営が可能です。
この小規模性により、運営コストを最小限に抑え、コスト競争力を維持できます。
また、小規模なうえに、効率的な組織構造を持つ新電力会社は、迅速かつ柔軟に市場変動に対応できる利点があります。
多様な調達先と競争
新電力会社は電力を調達する際、多くの発電事業者から電力を購入できるため、競争的な価格で電力を調達できます。
これに対して、大手電力会社は自社で発電し、競争相手が限られているため、価格競争が制約されています。
新電力は市場からの電力調達により、コストを抑えつつ高品質の電力供給を実現します。
他の事業との相乗効果
多くの新電力会社は、電力供給以外にも関連する事業を展開しています。
例えば、ガス会社、通信会社、エネルギーサービスなど、さまざまな事業領域に進出しています。
これにより、電力事業自体からの利益を最大化する必要がなく、電力を提供する際に利益を過度に上げる必要性が低いため、電力料金を競争的な水準に維持できます。
新電力会社がこれらの要因を活かして電気を安く提供することで、消費者や企業は選択肢が広がり、電気料金の削減が実現できます。
しかし、新電力会社を選ぶ際には、料金だけでなく、信頼性や提供されるサービスについても検討することが重要です。
まとめ
新電力会社のメリットとデメリット、そして特徴について詳細に解説しました。
これらの情報をまとめると、次のポイントが浮かび上がります。
新電力会社のメリット
- 電気代が安くなることがあり、競争により消費者にとってお得なプランが提供されています。
- ガスや通信サービスなどとのセット割引があることで、固定費を節約できます。
- ポイントサービスや多彩な付加サービスが提供され、電気代を支払いながら特典を受け取れます。
- さまざまなプランから選択でき、自社のニーズに合った電力供給を受けることができます。
- 環境に配慮した再生可能エネルギーを積極的に活用する新電力会社もあり、環境への貢献が期待できます。
新電力会社のデメリット
- 自分で電力会社やプランを検討し、選択する必要があるため、手間がかかることがあります。しかし、電力会社の比較サイトやシミュレーションツールを利用することで、最適なプランを見つける助けになります。
- 一部の電力会社では、解約に違約金がかかることがありますが、多くの新電力会社は違約金を設定していません。違約金があっても、電気料金の節約が大きいことを考えれば、新電力への切り替えは経済的に魅力的です。
- 賃貸物件の場合、新電力会社を選べないことがあるため、入居前に契約の条件を確認することが大切です。
- 適切なプランを選ばないと、料金が高くなることがあるため、シミュレーションや比較が必要です。
- 新電力会社は民間会社であるため、倒産や撤退のリスクがあるものの、大手電力会社が電力供給を代行するため、電力供給が途切れることはありません。
新電力会社は、適切に選ぶことで電気料金を削減し、環境にも貢献できる選択肢として注目されています。
ただし、自身のニーズや状況に合わせて検討し、信頼性のある新電力会社を選ぶことが大切です。
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