法人が電気料金を比較するポイント|契約電力の種類、乗り換えるメリットを解説

2023.08.24
コスト削減電力業界制度

電気料金の見直しは法人にとって重要なコスト削減手段であり、自社の使用規模に合わせた電力会社の比較は必要不可欠です。

本記事では、企業のコスト削減担当者の方々に向けて、法人向けに契約電力の種類や乗り換えのメリット適切な電力プランを見つけるためのポイントをご紹介していきます。

サービス資料
電気料金比較サービスについて

法人と個人の電気料金の違い

法人と個人では、電気料金にも違いがあります。
異なるポイントをおさえておきましょう。

電力の使用規模

法人は個人より多くの電力を使用し、毎月の上限を示す契約電力によって契約内容が決まります。

適切な電力プランを選ぶために、使用規模を考慮した比較が重要です。

電気料金の算出方法

電気料金の算出方法は、低圧(個人含む)・高圧・特別高圧電力の契約形態によって異なります。

低圧電力は、家庭用と業務用の2種類があり、種類によって算出方法が変わります。
一方で、高圧・特別高圧電力の電気料金算出には「デマンド」が影響します。
契約電力とデマンド料金が重要で、一定期間の最大需要量に応じた追加料金が発生する仕組みです。

高圧・特別高圧電力の違いとして、特別高圧電力は契約電力が電力会社との協議によって決まる点があげられます。

電気料金の単価

法人は、契約電力により基本料金と電力量料金の単価が異なります。
使用規模が大きくなるほど、電力量料金の単価は安くなる傾向があることが特徴です。

一方、個人は比較的小規模なので料金が高めですが、エネルギー節約によるコスト削減が可能と言えます。

契約電力の3つの種類

契約電力には、3つの種類があります。
具体的に見ていきましょう。

低圧電力

消費電力が50kW未満の小規模な小売店や飲食店などが該当します。
低圧電力契約はコストを抑える上で有利であり、事業規模に合った適切な電力供給を受けることができます。

高圧電力

契約電力が50kW以上のプランが対象となり、主に中規模以上の企業や工場、ビル、大規模施設などが対象です。
電力料金は契約電力の規模によって異なります。

特別高圧電力

特別高圧電力は、契約電力が2,000kW以上のプランで、主な対象は大規模な工場、製造業、商業施設、病院、大型ビルなどです。
電力供給の安定性と大容量の電力を確保できることが特徴です。

法人が電気料金を見直す前にやるべきこと

電気料金の見直しは重要ですが、その前にいくつか準備をしておくとより適切な判断を行うことができます。電気料金を見直す前にやるべきことについても確認しておきましょう。

目的を明確にする

電力会社を乗り換える目的を明確にしておきましょう。
さらに、比較する際の優先順位を整理しておくことも重要です。料金だけでなく、サービスや契約条件も考慮しましょう。

直近12か月分の電気料金の明細を用意する

電力の使用状況は季節により異なるため、直近12か月分の明細を確認することで、より正確な見積もりを電力会社から取得できます。
これにより、適切なプランを選ぶことができ、見直しをスムーズに進めることができるでしょう。

法人が電気料金を見直す際に比較するポイント

比較するポイントを明確にしておくことで、よりよい電気料金のプランを判断することができます。
電気料金を比較する際に、確認したいポイントについておさえておきましょう。

基本料金

基本料金は毎月一定額が請求されるため、これを安く抑えられればランニングコストの削減につながります。
複数の電力会社の基本料金を比較し、最適なプランを選ぶことで、経費削減を行うことができます

電気使用量(1kWhあたりの従量料金)

電気使用量に応じて料金が請求されるため、自社の実際の使用状況に合ったプランを選ぶことが重要です。
従量料金を比較し、効率的な電力供給プランを選択することで、コスト削減につながります。

契約期間・違約金

契約期間が設けられているものなどは、途中解約の際に違約金が設定される場合があります。
更新費やオプション費用なども確認し、追加費用の発生を把握することが重要です。
条件を比較し、長期的な視野で最適な電力会社を選びましょう。

電力会社の特徴

電力会社により、それぞれ特徴があります。
法人向け電力会社は700以上存在するため、企業の特徴・信頼性・エリアなどを比較検討することが重要です。
それぞれの電力会社の特徴を理解した上で、自社に最適なプランを見つけましょう。

 キャンペーンの有無

キャンペーンを実施し、特典を設けている電力会社もあります。
電気料金を抑えられることもあるため、電力会社からの情報をこまめにチェックし、キャンペーンの利用も検討しましょう。

電力会社を乗り換えるメリット

電力会社を乗り換えることで、多くのメリットがあります。
具体的に見ていきましょう。

電気料金が安くなる

競争が激化しているため、値下げを図る電力会社が増えています。
乗り換えにより、電気料金を抑えることができる可能性があります。
電気料金の削減はコスト削減につながり、企業の優位性を確保する上でも重要です。

キャンペーンやセット割引が利用できる

乗り換えキャンペーンを実施している電力会社も多く、電気代の割引やキャッシュバックを受けられる場合があります。
また、セット割引では複数のサービスをまとめて契約することで、ランニングコストが下がる可能性があります。

自社のブランドイメージを高められる

自然エネルギーで発電する電力会社もあり、乗り換えにより環境保全に貢献していることをアピールすれば、自社のブランドイメージを向上させることができます。

自社に合うプランが選べる

電力会社の乗り換えによって、プランの選択肢の幅が広がり、自社のニーズに最適な電力プランを選択できます。
また、電力の使い方を最適化でき、環境にも配慮できる可能性が高まります。

電力会社を乗り換えるデメリット

電力会社の乗り換えには、デメリットもあります。乗り換えによるリスクも把握しておきましょう。

電気料金が高くなることがある

自社に合うプランを選ばなければ電気料金は安くならず。
逆に高くつく可能性があります。契約プランの見極めが重要で、慎重に選ぶことが大切です。

違約金が発生する電力会社がある

違約金が発生し、コストがかかることがあります。特に、途中解約の可能性がある場合は注意が必要です。
乗り換えを検討する際には契約条件や違約金についてよく理解し、慎重な判断を行いましょう。

倒産するリスクがある

電力会社も企業であるため、倒産や電力事業から撤退するリスクがあることに注意が必要です。
供給停止となる場合、新たな電力会社への乗り換えが必要になるため、信頼性のある電力会社を選ぶことが重要です。

物件によっては契約できない

物件によっては契約先を自由に選択できないケースがあるため、事前に管理会社や大家に問い合わせて確認しておきましょう。
特定の電力会社との契約が義務付けられている場合もあります。

電力会社との契約前にすること

乗り換える電力会社が決まったらすぐに契約へ進むのではなく、以下のステップを踏むことが重要です。

電気料金のシミュレーションを行う

電気料金のシミュレーションを行い、前提条件を揃えて試算することが重要です。
自社の使用状況や契約プランに応じて最適な料金を把握し、コスト削減や適切なプラン選択に役立てましょう。

複数社に見積りを依頼する

複数社に依頼して、料金やサービス内容を比較検討しましょう。

関係性を築きながら、精査できる範囲で見積もりを取ることで、自社に最適なプランを見つけるチャンスを増やし、コスト削減や効率的な契約を実現できます。

電力会社の乗り換えに必要なもの

電力会社を乗り換える際、必要なもの、把握しておく内容は以下となります。
手続きの前に、以下の内容について確認しておきましょう。

  • 現在契約している電力会社名
  • 契約者名義
  • お客さま番号
  • 供給地点特定番号

2023年4月に東京電力が法人向け電気料金の値上げを発表

東京電力エナジーパートナー(EP)は2023年4月から法人向け電気料金を引き上げると発表しました。最大14%の料金が値上げする可能性もあるため、コスト面への影響が注目されています。

法人が電気料金を見直すなら新電力がおすすめ

新たに「新電力」という選択肢も出てきています。
新電力について、詳しく見ていきましょう。

電力自由化とは

電力自由化は、2016年4月の法律改正により、電力市場が全面的に自由化された制度です。
従来の地域独占的な電力会社に加えて、多くの新電力が市場に参入することが可能となりました。

新電力とは

新電力とは、従来の電力会社(旧電力会社)とは異なる、電力自由化によって参入した新しい電力会社のことを指します。
消費者に対してより多様なプランやサービスを提供することが特徴です。

新電力がおすすめの理由

多くの新電力が市場に参入し、価格競争が起きることで、より安い料金で利用できる可能性があります。
消費者にとってより良い条件で電力を利用できる環境が生まれるため、新電力に注目が集まっています。

電力会社の乗り換え以外で電気料金を削減する方法

電力会社の乗り換えとなると、精査に時間をかかり、慎重に判断する必要があります。
簡単に電気料金の削減が期待できる方法もあるため、以下のような内容から取り組んでみるということも選択肢の一つです。

空調設備を最新式に買い替える

古い空調設備は電力の消費効率が悪く、電気料金が高くなる傾向があります。
最新の省エネ機種を導入することで、電力の無駄な消費を抑え、電気料金の削減が期待できます。

照明器具をLEDに交換する

LED照明は消費電力を削減し、蛍光灯に比べて寿命が長いため、長期的に見た際に大きな節電効果が得られます。
また、LED照明は明るく広範囲に均一な光を当てられることも特徴で、使用する照明器具の個数も減らせる可能性があります。

まとめ

電気料金の見直しは法人にとって重要なコスト削減手段であり、自社の使用規模に合わせた電力会社の比較は必要不可欠です。

電気料金を最適化することは、経営効率の経費削減へとつながります。
この機会に、電気料金の見直しを行うことをおすすめします。

ホールエナジーでは、電気料金比較サービスを提供しています。
電力の専門家がお客様の電力コスト削減を支援しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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参考記事

エネチェンジBiz  法人の電気料金を比較、適切な見直し方法を解説

ワイマガ 【2022年最新】法人の電気料金を徹底比較!おすすめ新電力10選