コーポレートPPAで使える補助金とは?PPAのメリットデメリット・事業者の選び方も解説
環境問題への配慮として、様々な取り組みを行う企業も増えてきています。
再生可能エネルギーの導入を検討している企業の中には、コーポレートPPAの導入を検討しているケースもあるでしょう。
コーポレートPPAを実施する場合、国や自治体からの補助金を活用するのがおすすめです。
本記事では、コーポレートPPAに関する補助金の内容や、PPAモデルのメリット・デメリットなどを解説していきます。
コーポレートPPAとは
電力の需要家である企業と発電事業者が結ぶ契約のことで、長期間の電力購入契約(PPA)を指します。
企業は長期間、安定的に電力を購入できることや、太陽光設備を初期費用ゼロで導入利用できるなど、メリットも多いです。
再生可能エネルギーの有効な調達手段として、欧米では普及が進んでいます。
コーポレートPPAで使える補助金
コーポレートPPAでは補助金が活用できます。
利用できる補助金について、詳しくみていきましょう。
需要家主導による太陽光発電導入促進補助金
【対象事業】
再エネ利用を希望する需要家が、他者あるいは自ら太陽光発電設備を設置する事業
【補助率】
2/3または1/2 ※自治体連携型:2/3、その他:1/2
【対象設備】
太陽光発電設備
出典:資源エネルギー庁省エネルギー・ 新エネルギー部省エネルギー課「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」
再エネ調達市場価格変動保険加入支援事業補助金
【対象事業】
1.先進事業
2.オーダーメイド事業
3.指定設備導入事業
4.エネルギー需要最適化対策事業
【補助率・上限額】
1.中小企業:2/3、大企業:1/2
上限額:15億円または20億円
2.中小企業:1/2、大企業:1/3
(投資回収年数7年未満の事業は、中小企業者等で1/3以内、大企業・その他で1/4以内)
上限額:15億円又は20億円
3.補助率:1/3
上限額:1億円
4.中小企業:1/2、大企業 1/3
上限額:1億円
【対象となる支援内容】
1.工場・事業場における省エネや非化石エネルギーへの転換にも資する先進的な設備の導入
2.個別設計が必要となるオーダーメイド設備の導入を含む設備更新
3.省エネ性能の高い特定のユーティリティ設備、生産設備等への更新
4.エネマネ事業者と共同で作成した計画に基づき、EMS制御や高効率設備導入、運用改善を行う取組
出典:資源エネルギー庁省エネルギー・ 新エネルギー部省エネルギー課「再エネ調達市場価格変動保険加入支援事業補助金」
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
【対象事業】
1.<補助>業務用施設・産業用施設・集合住宅・戸建住宅への自家消費型太陽光発電設備・蓄電池(V2H充放電設備を含む)を導入する事業
2.<委託>ストレージパリティ達成に向けた課題分析・解決手法に係る調査検討に関わる事業
【補助率】
<PPAリース>
業務用施設、産業用施設、集合住宅:5万円/kw
戸建住宅:7万円/kW
<購入>
業務用施設、産業用施設、集合住宅:4万円/kW
【対象設備】自家消費型太陽光発電設備や蓄電池などの機器
地域脱炭素移行・再エネ推進交付金
【対象事業】
1.脱炭素先行地域づくり事業
2.重点対策加速化事業
【交付率】
1.原則2/3
2.2/3〜1/3、定額
【対象設備】
1.再エネ等設備、再エネ利用最大化のための基盤インフラ設備(蓄電池、自営線等)、省CO2等設備
2.自家消費型の太陽光発電設備など
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業
【対象事業】
1.設備導入事業
2.詳細設計等事業
【対象経費】
1.都道府県・指定都市:1/3、市区町村(太陽光発電またはCGS):1/2、
市区町村(地中熱、バイオマス熱等)及び離島:2/3
2.1/2 上限:500万円/件
【対象設備】
1.再生可能エネルギー設備、未利用エネルギー活用設備、コジェネレーションシステム及びそれらの附帯設備(蓄電池、充放電設備、自営線、熱導管等)並びに省CO2設備(高機能換気設備、省エネ型浄化槽含む)など
2.再生可能エネルギー設備など
新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
【対象事業】
1.建物における太陽光発電の新たな設置手法活用事業
2.地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
3.オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業
4.再エネ熱利用・発電等の価格低減促進事業
5.新たな再エネ導入手法の価格低減促進調査検討事業(委託)
【補助率】
1.1/3
2.1/2
3.1/2
4.3/4、1/3、1/2
【対象設備・支援内容】
1.駐車場を活用した太陽光発電設備
2.営農地・ため池・廃棄物処分場を活用した太陽光発電設備
3.オフサイトからの自営線導入
4.再エネ熱利用、未利用熱利用(工場廃熱等)、
自家消費型再エネ発電(太陽光発電除く)などの計画策定・設備など
5.再エネ導入手法に関する調査検討
出典:環境省「PPA活用等による地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業のうち、新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業」
PPAモデルのメリット
コーポレートPPAを導入することで、様々なメリットがあります。
再エネ賦課金の負担を抑えられる
電力会社を介して電力を購入すると、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)という費用が必要となります。
ただし、自身の家や会社にて発電した電力を自家消費する場合は、再エネ賦課金の支払いが不要となり、費用の負担を軽減することができます。
企業の社会的価値を向上させる
企業の取り組みが、地球温暖化の要因とされるCO2の削減に寄与することはもちろん、取り組みを行っていることがアピールできます。
企業の社会的価値の向上につながり、ビジネスチャンスも広げられる可能性があります。
メンテナンス費用を負担しなくてすむ
太陽光発電は、安全面や発電量の維持という点から、定期的なメンテナン
スが必要です。
設備は事業者の所有物と見なされるため、メンテナンスや故障の費用はPPA事業者が負担します。
そのため、設備の購入費用をはじめ、メンテナンス費用を負担しなくて済むというメリットがあります。
PPAモデルのデメリット
コーポレートPPAを導入する上で、デメリットもあります。
把握した上で導入を検討しましょう。
長期的な契約が必要になる
契約内容にもよりますが、多くの場合が10年以上の長期契約となります。設備自体は事業者が所有しているため、契約期間の途中で契約破棄や処分することはできません。
長期的な契約が前提となります。
導入の際に審査がある
PPA事業者は需要家の代わりに設備投資を行い、リスクを背負うことになります。
そのため、導入の際に審査を受けなくてはいけません。
契約期間まで経営ができるのかを判断され、条件はPPA事業者により異なります。審査の末、契約ができるかどうか判断を受けることになります。
違約金を請求される可能性がある
PPAでは、太陽光の設備はPPA事業者の所有物として扱われます。
太陽光発電システムは勝手に移動や撤去ができないため、自社都合で事業所の移転や改装工事などを行う場合は、違約金が発生する可能性があります。
契約期間は長期に渡るケースが多いため、注意しましょう。
PPA事業者を選ぶ際のポイント
コーポレートPPAを導入するにあたり、適切な事業者を選ぶ必要があります。事業者選びのポイントを押さえておきましょう。
太陽光発電の実績がある
計測技術やデータ解析など、PPAでは通常の太陽光発電力システムの運用とは異なるスキルが必要です。
事前に開発経験と運用実績を確認しておきましょう。
できれば、導入する施設と同程度の規模に関する経験や実績を見ておくと安心です。
メンテナンスの体制が整っている
設置費用が無料であっても、その後メンテナンス費用がかかる場合があります。
事業者の運用管理およびメンテナンス体制について、事前に確認しておく必要があります。
遠隔監視、異常事態の駆けつけ対応、太陽光発電力の使用量についての報告内容などについて、事前に把握しておきましょう。
コーポレートPPAならホールエナジーの活用がおすすめ
コーポレートPPAを導入したいけれども、どうしたらいいかわからないという企業もあるでしょう。
コンサルティングなどのサポートを受けたい企業様には、ホールエナジーがおすすめです。
国内で初めてコーポレートPPAマッチングサービスを実施しており、これまでに積み重ねてきた豊富な知見と実績が強みです。お客様の最適な再エネ導入をサポートいたします。
まとめ
再生可能エネルギー導入の選択肢として、コーポレートPPAの活用を検討している企業もあるでしょう。
コーポレートPPAを実施する場合、補助金を活用することもできますし、PPAモデルのメリット・デメリットなどを理解しておく必要があります。
自社で導入までの対応を行うことに不安がある場合は、専門家のコンサルティングを受けることも検討してみましょう。
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参考記事
アスエネメディア 【初期投資ゼロの発電】PPAモデルとは?注目される背景とともに解説!
EnergyShift PPAモデルとは?自家消費型太陽光の新定番