カーボンプライシングで脱炭素化は可能になる?海外と日本の現状・戦略・課題など徹底解説

2023.06.06
ESGSDGsカーボンニュートラル脱炭素
カーボンプライシングとは?特徴やメリット・世界と日本の導入状況

脱炭素のための「カーボンプライシング」が世界で注目されています。経済活動で多くの炭素(CO2)を排出する企業は、今後カーボンプライシング対応を求められるでしょう。 本記事では、カーボンプライシングとは何か、日本で取られている対策の種類、カーボンプライシングのメリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。

カーボンプライシングとは何か?

カーボンプライシングとは、「炭素(CO2)などの温室効果ガスに価格を付けること」です。気候変動問題の主因である炭素に価格を付けることで、排出量に見合った金銭的負担を企業などに求める仕組みで、排出者の行動変容を促す効果があると注目されています。

世界が注目する脱炭素のための経済対策

カーボンプライシングは、温室効果ガス排出に伴う費用が「見える化」される点がポイントです。排出量を削減したり、炭素を資源化する研究開発をしたりするなどの企業努力が数値として可視化され、正当に評価することができるからです。

日本では現在、環境省と経済産業省が連携してカーボンプライシング対策を講じています。

SDGsの実現と経済成長の両立のための方策

2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、17のゴール・169のターゲットを達成し2030年までによりよい世界を目指す国際目標です。日本は2050年までにカーボンニュートラルを実現し、脱炭素社会を目指すことを宣言しています。

カーボンプライシングは、カーボンニュートラルへの取り組みと経済成長を両立させる方策として期待されています。

2種類あるカーボンプライシング

カーボンプライシングは、「明示的」と「暗示的」の2種類あります。明示的カーボンプライシングは、炭素排出量に直接価格を付けることで、炭素税や排出量取引が該当します。

暗示的カーボンプライシングは、炭素排出量の削減を期待し間接的に価格を付けることで、補助金や税制優遇、エネルギー課税、固定価格買取制度などが該当します。

明示的カーボンプライシングの特徴

炭素排出量に直接価格を付ける明示的カーボンプライシングは、幅広く排出主体者に負担を求めることが可能で、既存の税制と親和性が高く行政コストが抑えられます。

日本政府が進める明示的カーボンプライシングの内容を見ていきましょう。

炭素税

政府がCO2の排出量に価格を付け排出を抑制する仕組みで、脱炭素に向けた価格アプローチです。メリットは、価格(税率)が安定している点と既存の徴税制度を利用できるので行政コストが抑えられる点、そして新しい税収となる点です。

デメリットは、排出削減量の予測が難しい点です。炭素税は欧州を中心に30カ国以上が導入しており、日本も本格導入に向け議論が進んでいます。

排出量取引制度

政府がCO2排出量の上限を設定し排出を抑制する仕組みで、脱酸素に向けた数量アプローチです。企業は排出枠を踏まえて経済活動を行い、排出枠の過不足は市場での売買取引が可能です。

メリットは、排出削減量が明確になる点です。デメリットは、市場取引により価格が変動する点と制度設計が複雑な点です。炭素税と排出量取引制度を同時に用いることで、効果的な施策ができるとみなされています。

クレジット取り引き

省エネ設備の導入や再エネ活用、森林管理などでCO2排出量を削減したことを証書化し「クレジット」として市場取引する仕組みです。

メリットは、クレジットの販売により資金調達ができる点、自社でCO2削減が難しい場合の相殺策(カーボンオフセット)に活用できる点です。デメリットは、政府や民間などさまざまな機関が発行できるため、信頼性が担保されない点です。

日本では、経済産業省・環境省・農林水産省が連携して運営するJ-クレジットがあります。

暗示的カーボンプライシングの特徴

炭素排出量の削減を期待し間接的に価格を付ける暗示的カーボンプライシングは、中小企業や消費者も取り組むことができます。

日本政府が進める暗示的カーボンプライシングの内容を見ていきましょう。

エネルギー課税

主にCO2排出量の多い化石燃料に対する課税で、ガソリン税や石油石炭税、航空機燃料税が該当します。

メリットは、省エネ・再エネ導入が促進される点と、消費者が燃料の選択に関心を持つ点です。デメリットは、期待できるCO2排出削減量が一定ではない点です。

固定価格買取制度(FIT)

太陽光や水力などの再エネで発電した電気を、電力会社が一定期間・一定価格で買い取る制度です。

メリットは、コストの高い再エネの導入を支える点です。デメリットは、買取費用の一部を電気利用者からの賦課金(ふかきん)として集めるため、消費者の負担が増える点です。

補助金・税制優遇

省エネ効果の高い製品・設備や、再エネ導入に対する優遇措置を利用する人が増えると、結果的にCO2排出削減につながるので、暗示的カーボンプライシングに分類されます。

令和5年度は、「地域脱炭素の推進のための交付金」など50以上の補助金・税制優遇があります。

参考:環境省「令和5年度予算 及び 令和4年度補正予算 脱炭素化事業一覧」

カーボンプライシングの導入が求められる背景

カーボンプライシングの導入が求められる背景には、地球温暖化の深刻化と、気候変動問題に対する世界的な意識の高まりがあります。人間の経済活動の中で発生するCO2などの温室効果ガスは、地球全体の気温を上昇させる大きな要因の1つです。

地球温暖化が加速すると、自然界のバランスが崩れ、地球上の自然や人間をはじめとする動物に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。また、干ばつの増加や食糧不足、海面の上昇、気象災害の増加といった問題にもつながるため、国の枠組みを超えて問題解決に取り組むことが必要です。

カーボンプライシングは、温室効果ガスの発生を削減するための具体的な取り組みの1つとして作られました。カーボンプライシングの導入を進める国・地域は急増しており、今後も同様の流れが続くと予想されています。

カーボンプライシングを導入するメリット

カーボンプライシングを導入すると、効果的に温室効果ガスを削減できるだけではなく、ほかにもさまざまなメリットがあります。カーボンプライシングを導入する主なメリットは以下の4つです。

  • 効果的な地球温暖化対策の促進につながる
  • CO2排出量削減のための企業の選択肢が増える
  • 確保した税収により政府の対策が行える
  • 企業・消費者の意識が変わる

それぞれ詳しく解説します。

効果的な地球温暖化対策の促進につながる

カーボンプライシングの最大のメリットは、カーボンプライシングの目的であるCO2排出量の削減を効果的に行える点です。カーボンプライシングによってCO2排出量に価格が付くことで、企業や団体の行動変容が期待できます。

CO2排出量の削減がカーボンプライシングによるコスト増加の回避に直結するため、一つひとつの企業・団体がCO2削減に向けて具体的に取り組むようになるでしょう。コスト増加を回避できた企業は競争力を向上させられるため、社会全体として取り組みが加速することが考えられます。

CO2排出量削減のための企業の選択肢が増える

企業がCO2排出量削減に取り組むためには、省エネ設備を導入するための初期投資が必要です。また、電力を再エネに切り替えることで、電気代が高くなることも懸念されます。しかし、国などの補助金や税制優遇を活用すれば、CO2排出量削減への取り組みにかかる経済負担を減らすことが可能です。コストを抑えられれば、企業がCO2排出量削減のためにできる対策方法の選択肢も増えるでしょう。

確保した税収により政府の対策が行える

国にとって、カーボンプライシングは新たな財源の1つでもあります。カーボンプライシングによって企業・団体にCO2削減を要請しつつ、新たに確保した税収で政府側もCO2削減に向けた取り組みを行うことが可能です。

結果として、国全体で地球温暖化対策に取り組みやすくなる点が大きなメリットとなっています。カーボンプライシングによって経済に悪影響が出た場合、確保した財源を経済対策に充てることも可能です。

企業・消費者の意識が変わる

CO2排出量の削減に向けた動きは世界中で加速しており、先進国の大企業などは、社会的責任として率先して取り組んでいます。そして、企業が積極的にCO2排出量の削減に向けて取り組み、アピールすれば、その企業の製品・サービスを利用する消費者の意識の改革にもつながります。

今は企業や製品・サービスの背景を重視する消費者が多い時代です。地球温暖化に関心を寄せている消費者も多いため、企業の取り組みによって消費者のCO2排出量削減に対する意識も後押しできます。

カーボンプライシングを導入するデメリット・課題点

カーボンプライシングの導入にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットや課題となる点も多いのが現状です。具体的なデメリット・課題点を4つ紹介するので、メリットと合わせて確認しておきましょう。

導入してもCO2が減少するとは限らない

カーボンプライシングはCO2排出量を削減するための制度ですが、導入しても確実にCO2が減少するとは限りません。CO2排出量削減につながったとしてもすぐに結果が出るものではなく、時間をかけて取り組む必要があります。また、結果が保証されていない反面、導入コストは確実にかかるため、企業側としては費用負担が増すだけだと感じるケースもあるでしょう。

日本はエネルギーコストが海外と比べて高額なため、負担が軽い国・地域を求めて企業が海外に流出することも考えられます。日本企業が海外に流出した場合、日本国内のCO2排出量は減るものの、流出先でCO2を排出し続ければCO2排出量削減効果は得られません。

企業への金銭的負担の増加する

カーボンプライシングは、CO2排出量に応じて企業に金銭的な負担を強いる制度でもあります。新たに払うべき費用が増えることは企業経営を行う上で大きな負担となり、事業活動に影響を及ぼす可能性も高いです。金銭的負担の増加は、企業の国際競争力の低下にもつながります。

また、企業への金銭的負担が増加すると、環境分野への投資に必要な資金が減ってしまいます。結果として、CO2排出量削減のための取り組みを阻害するリスクがある点が大きなデメリットです。

カーボンリーケージによる競争力への懸念がある

カーボンプライシングの推進は、カーボンリーケージを招く恐れがあります。カーボンリーケージとは、CO2の排出規制が厳しい国の企業が、規制が緩やかな国に生産拠点などを移し、かえってCO2排出量が増加することです。その結果、生産力を伸ばした企業が市場のシェアを占める可能性があります。

現在、カーボンプライシングの導入が進んでいる先進国ではCO2排出量が減りつつある反面、発展途上国では急増しています。カーボンプライシングの導入は、カーボンリーケージの防止など、さまざまな手法を合わせて行うことが必要です。

環境対策と経済対策の足並みが揃っていない

地球環境の保全と経済成長を両立させることは、国にとって大きな課題となります。日本においては、政策の実効性を高める観点から環境省と経済産業省を含む企業が連携していますが、足並みが揃っているとは言えません。

脱炭素投資への支援策や、脱炭素分野で新たな需要・市場の創出などを合わせて進め、日本の産業競争力の向上を図りながら環境対策に取り組む必要があります。

カーボンプライシングの世界の現状

カーボンプライシングは世界各国で導入が進んでいるものの、手法や制度はそれぞれ異なります。カーボンプライシングの世界の現状について、国ごとに分かりやすく解説するので、参考にしてください。

米国

米国は現在、国として炭素税などのカーボンプライシングを導入していないものの、州や地方の取り組みにパートナーという形で協力しています。また、温室効果ガスの排出量を段階的に削減し、2050年には100%クリーンエネルギー化やカーボンニュートラルを実現することを目指しています。

「炭素国境調整メカニズム」は、米国でカーボンニュートラルの実現に向けて導入された政策の1つです。炭素国境調整によって、CO2排出規制が緩い国からの輸入品に対して、製造時に排出されたCO2の量に応じて関税が課されます。

また、2022年には気候変動対策を盛り込んだインフレ削減法が成立しました。気候変動対策の一環として、再エネ関連の設備投資に対する投資税額控除や、生産税額控除などの施策も取られています。

EU

EUでは、2005年に世界で初めて排出量取引制度(EU-ETS)が導入されました。EU-ETSは、EU-ETS域内の対象企業にCO2排出量の上限が割り当てられ、過不足分を市場取引するという仕組みになっています。

EU-ETSの対象となる業種は、発電や石油精製、製鉄、セメント事業などです。EU-ETSの取り組みは4つのフェーズに分けられており、現在は最終段階の第4フェーズとして、排出枠の年間削減率引き上げなどが実施されています。

また、2021年にはCO2排出量の削減やカーボンニュートラルの実現に向けた一連の政策パッケージとして「Fit for 55」を発表しました。Fit for 55では、エネルギー課税指令の改正による船舶輸送と航空機への免税措置の廃止など、CO2排出量削減に向けた施策が打ち出されています。

英国

英国は2020年にEU-ETSから離脱し、2021年に独自の排出量取引制度であるUK-ETSを導入しました。UK-ETSは多くの面でEU-ETSに倣っているものの、EU-ETSに比べて目標が高く設定されているなどの違いがあります。

また、英国ではCO2排出量と吸収量のバランスを取り、賞味の排出量0を目指す「ネットゼロ」を打ち出しています。ネットゼロ戦略の実現に向けて、英国では2022年に「エネルギー安全保障戦略」を発表しました。エネルギー安全保障戦略では、世界的なエネルギーの価格高騰に対応し、クリーンで安価なエネルギーへの転換・拡大を目指しています。

フィンランド

フィンランドはカーボンプライシングの先進国であり、1990年に世界で初めて炭素税を導入しました。炭素税による税収は、所得税の引き下げや企業の雇用にかかる費用の軽減、企業の社会保障費削減による税収減少の一部の補填などに使われています。また、EU-ETS対象企業の免税、産業用電力・CHPの減税、発電用に使用される燃料の免税など、さまざまな減免措置を講じているのも特徴的です。

炭素税という形で世界に先駆けてカーボンプライシングを導入したフィンランドは、CO2排出量削減を実現しつつ、経済的な成長も続けています。

中国

中国はエネルギー起源のCO2排出量が世界で最も多い国です。2019年時点で世界のCO2排出総量の約30%を占めていた中国は、2020年の国連総会で、2060年までのカーボンニュートラル達成を目指すことを表明しました。2021年には電力事業者を対象に排出量取引制度を開始しており、2025年までに石油化学・化学・建材・鉄鋼・航空などの分野に対象を広げていく予定です。

また、中国は2022年に「水素エネルギー産業発展中長期規画」を発表しました。規画の中で、2025年までに水素燃料電池自動車の保有台数を5万台に、グリーン水素の製造を年間10~20万トンにすることなどを掲げています。

出典:環境省「世界のエネルギー起源CO2排出量(2019年)」

出典:経済産業省資源エネルギー庁「第1部 第3章 第1節 脱炭素社会への移行に向けた世界の動向 │ 令和4年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2023) HTML版 │ 資源エネルギー庁」

韓国

韓国は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するために、カーボンプライシングなどの脱炭素に向けた取り組みを積極的に行っています。韓国では炭素税を導入せず、2015年から排出量取引制度の段階的導入を行いました。

韓国の排出量取引制度では、直近3年間のCO2排出量が12.5万トン以上の事業者が対象になっており、国全体の年間排出量の約7割をカバーしています。政府が企業ごとに排出量の上限を決め、上限値を超過する企業と下回る企業との間でCO2排出量を取り引きする仕組みです。割当対象企業の排出枠の提出負担を減らすために、排出枠の借入措置や次年度への繰り越しなども導入しています。

出典:経済産業省資源エネルギー庁「第1部 第3章 第1節 脱炭素社会への移行に向けた世界の動向 │ 令和4年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2023) HTML版 │ 資源エネルギー庁」

日本のカーボンプライシングの導入状況

 

2022年4月段階で68か国が導入しているカーボンプライシングは、今や各国の政策に不可欠なものと言えるでしょう。日本でも炭素税、排出量取引制度、エネルギー税のすべてが導入済みとなっています。日本が実施するカーボンプライシングの中から、炭素税と排出量取引制度の導入状況について解説します。

炭素税の導入状況

日本では、2012年に「地球温暖化対策のための税(地球温暖化対策税)」という名称で実質的な炭素税が導入されました。地球温暖化対策税は、各企業がCO2排出量1トンあたり289円を税負担する制度です。

CO2排出量1トンあたり289円という税額は段階的に引き上げられたものであり、現在は導入当初に比べて約3倍の価格となっています。ただし、炭素税を定めているほかの国に比べれば、日本の炭素税は低水準なのが現状です。例えば、スウェーデンでは同量で約15,500円と、日本の53倍近い価格設定となっています。

環境省は2018年に「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」を開催し、環境保全と経済成長の両立に向け、経済産業省などと議論を進めています。

出典:環境省「地球温暖化対策のための税の導入」

出典:環境省「主な炭素税導入国の制度概要」

排出量取引制度の導入状況

日本においても、排出量取引制度は政府がCO2排出量の上限を設定し排出を抑制する仕組みであり、脱炭素に向けたアプローチの1つです。企業は排出枠を踏まえて経済活動を行い、排出枠の過不足は市場での売買取引が可能となっています。

排出量取引制度は排出削減量が明確になるメリットがある一方、市場取引により価格が変動する点と制度設計が複雑になる点がデメリットです。炭素税と排出量取引制度を同時に用いることで、効果的な施策ができるとみなされています。

排出量取引制度は東京都や埼玉県で既に運用されており、国としても2026年度から導入する予定です。

日本における政府の取り組み

日本では、2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、「成長志向型カーボンプライシング構想」が打ち出されました。成長志向型カーボンプライシング構想は、化石エネルギーからクリーンエネルギーへの転換を指す「GX」を実現するための構想となっています。

日本では、カーボンプライシングを環境省と経済産業省が主導しています。

環境省の取り組み

環境省が掲げる成長志向型カーボンプライシング構想では、以下の内容が決定しました。

  • 2028年度以降、化石燃料の輸入事業者に対して化石燃料賦課金を徴収する
  • 2033年度以降、発電事業者に対して特定事業者負担金を徴収する

また、環境省ではカーボンプライシングの活用に関する討論会やフォーラム開催などが行われています。世界各国の動向に合わせ、日本も脱炭素化に向けて舵を切ることが必要です。カーボンプライシングのあり方に関する検討会では、有識者や経済界からの意見を聴取しつつ、日本のカーボンプライシングのあり方についての検討が進められています。

また、2024年に開催した脱炭素経営フォーラムでは、環境省が実施したモデル事業の取り組み事例を共有しつつ、脱炭素化に向けた取り組みを推進しました。

経済産業省の取り組み

経済産業省では、2022年12月22日に「GX実現に向けた基本方針」がまとめられました。GXを加速させることで、エネルギーの安定供給および脱炭素分野での新たな需要・市場を創設し、日本の経済成長につなげることを目指しています。

同年に発表された「GXリーグ基本構想」は、GXに取り組む企業と官公庁・大学が一体となり、経済社会システムの変革や新たな市場を作るための実践グループです。GXリーグにおいては、2023年から排出量取引制度の段階的な発展が行われています。

カーボンプライシング導入後の展望

政府や経済界が導入を進めるカーボンプライシングが広がると、どんなことが起きるのでしょうか。

企業に与える影響

CO2排出量の多い製品やサービスは課税や規制により値上がりし、新たなコストが発生することで国際的な競争力低下や、経営悪化に陥る企業もあるでしょう。

一方でCO2排出量削減に取り組む企業や、製品・サービスへの評価が高くなり、企業努力が正当に評価されるようになります。

家計に与える影響

消費者は購入する製品やサービスを通じて、CO2排出量削減のためのコストを負担することになります。特に電気やガスといったエネルギーは生活必需品のため、負担増を感じやすいでしょう。

しかし、カーボンプライシングのシステムがうまく進めば、CO2排出量の少ない製品・サービスは安くなるため、消費者は安い製品を購入することでCO2削減に貢献できるようになります。

まとめ

カーボンプライシングは脱炭素に向けた有効な施策であるため、政府や経済界は急いでルール作りを行なっています。課税や規制が導入されれば、企業経営に大きく関わってくるでしょう。

ホールエナジーは、再エネ導入コンサルティングサービスとして、「何から始めていいか分からない」という企業様の対応を得意としています。御社の現状や課題に合わせたご提案をさせていただきます。先ずはお気軽にご相談ください。

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