再生可能エネルギーの種類一覧|それぞれの特徴も詳しく解説

2023.04.05
再エネ調達再生可能エネルギー

再生可能エネルギーの普及に向け、国内外で様々な取り組みが活発化しています。
そこで本記事では、再生可能エネルギーの種類をはじめ、代表的な再生可能エネルギーの特徴や今後の課題なども解説していきます。
脱炭素施策などに取り組んでいる企業のご担当者様は、ぜひ参考にしてください。


  カーボンニュートラルへ向けた、

企業が取るべき具体的アクションとは?

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーについて、どのように定義され、どのような特徴があるか解説していきます。

定義

経済産業省資源エネルギー庁によると、再生可能エネルギーは以下のように定義されています。

『エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。』

引用

経済産業省資源エネルギー庁「再生可能エネルギーとは」

特徴

再生可能エネルギーの特徴は、水力、風力、太陽光、バイオマス燃料など、自然界にある資源を利用したエネルギーであることです。
火力発電や原子力発電のように化石燃料を使用しないため、温室効果ガスが排出されることはありません。
世界が目標としている脱炭素化社会に貢献できるエネルギーとして注目されています。
また、資源が乏しい日本においても国内で生産することができ、繰り返し使えるため、枯渇する心配もありませんエネルギー自給率の改善にも役立ちます。

再生可能エネルギーの種類一覧

再生可能エネルギーには、いくつか種類があります。 どのようなものが再生可能エネルギーに分類されているか、一覧でご紹介します。

  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • 水力発電(中小水力、大規模水力発電)
  • 地熱発電
  • 太陽熱利用・大気中の熱その他の自然界に存する熱利用(雪氷熱利用、地中熱利用、温度差熱利用、バイオマス熱利用、空気熱利用など)
  • 潮力発電

代表的な再生可能エネルギーの特徴

先程ご紹介した再生可能エネルギーのうち、FIT制度の買い取り対象になっているエネルギー(水力・風力・太陽光・地熱・バイオマス)と、太陽熱利用、地中熱利用、雪氷熱利用、温度差熱利用の特徴について、解説していきます。
なお、FIT制度とは再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。再生可能エネルギー普及のためにも、重要な制度となっています。

水力発電

水を高所から低所へ勢いよく流し、設置してある水車を回転させることで発電します。
純国産の再生可能エネルギーであり、低炭素な発電方法でもあります。
また、日本は水資源に恵まれているため、適した発電方法と言えるでしょう。安定的に供給することができますし、長期的に活用できる発電方法である点もメリットです。
そして、大きなダムだけでなく、近年は中小水力発電の建設も増加しており、河川の流水、農業用水、上下水道などを利用する場合もあります。

風力発電

風力発電機についているブレードという羽を風力で回転させ、そのエネルギーを電気に変換します。
風車は再生可能エネルギーの象徴ともされており、欧米諸国に比べると導入は遅れているものの、近年は日本でも導入件数が増加しつつあります。
また、陸上と洋上で発電可能なことや交換効率が高いこと、夜間も稼動できることなど、メリットも多くあげられます。
大規模な発電がかなえば、火力発電と同程度の発電コストであり、経済面から見ても実用性のある発電方法と言えるでしょう。

太陽光発電

日本における代表的な再生可能エネルギーが、太陽光発電です。
太陽の光エネルギーを、太陽電池(半導体素子)を利用して直接電気に変換する発電方法となっています。
非常用電源としても使用可能で、設置する地域に制限もありません。
そのため、デッドスペースへの設置も可能ですし、送電設備のない場所での電源にもなります。

地熱発電

地上で降った雨や雪がマグマ層まで浸透すると、マグマの熱で蒸気が発生します。この高温の蒸気を利用し、タービンを回すことで発電するのが地熱発電です。
日本は火山帯に位置するため戦後早くから注目されており、総発電電力量は少ないものの、安定して発電できる純国産エネルギーとして重要視されています。
化石燃料のように枯渇しないため長期間の供給が期待できることや、昼夜問わず発電可能なことも注目されている理由です。
また、発電に使った高温の蒸気や熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などにも再利用することができます。

バイオマス発電

バイオマス資源には様々なものがあり、製材廃材や家畜の排泄物、食品加工廃棄物、建築廃材などが含まれます。
これらを直接燃焼したり、ガス化したりすることで発電する方法が、バイオマス発電です。
農山漁村の活性化、廃棄物の減少や再利用による循環型社会の構築、地域環境の改善にも期待ができるだけでなく、天候に左右されないというメリットもあります。
また、京都議定書の取扱い上二酸化炭素を排出しないとされているため、地球温暖化対策にもつながります。

太陽熱利用

太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を温めることで給湯や冷暖房などに活用する方法で、太陽光発電とは異なります。
システムとして簡単なものなので、導入の歴史がとても古いことも特徴です。
導入や操作が簡単なため、特別な知識や操作も必要ありません。

地中熱利用

地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーのことです。
地下10~15mの深さでは、年間を通して温度変化が見られなくなるため、夏場と冬場の大気と地中熱の温度差を利用することで、給湯や冷暖房のエネルギーとして活用します。
日本のどこでも利用可能な点や、冷暖房時に熱を屋外に放出しない構造であることからヒートアイランド現象になりにくい点、エアコンが利用できない外気温が低い環境でも利用可能な点などがメリットとしてあげられます。

雪氷熱利用

冬の間に降った雪や冷たい外気を使って凍らせた氷を保管しておき、冷熱が必要となる夏場などに活用する方法です。
利用地域は限定されますが、寒冷地のデメリットとされていた融雪や除排雪で生じていた膨大な量の雪を、積極的に利用することでメリットに変えることが期待できます。

温度差熱利用

地下水、河川水、下水などの水源を熱源としたエネルギーで、水の持つ熱を、ヒートポンプを用いて利用します。
夏場は水温のほうが低く、冬場は水温のほうが高いという特性を利用した方法です。冷暖房など地域熱供給源や、融雪用の熱源、温室栽培にも利用できます。
さらに、燃料を燃やす必要がないためクリーンなエネルギーとしても注目を集めています。

再生可能エネルギーのメリット・デメリット

再生可能エネルギーのメリット、デメリットについてもおさえておきましょう。

再生可能エネルギーのメリットとして、温室効果ガスを排出しない、もしくは増加させないことや、国内で生産できるためエネルギー自給率向上につながることがあげられます。

一方、デメリットとしては、一部の再生可能エネルギーは天候や季節に左右されてしまい、大規模停電につながる可能性があることです。さらに、水力発電以外はエネルギー変換効率が比較的低いものが多いことや、発電コストが高いことも課題となっています。

再生可能エネルギーの課題・目標

日本の再生可能エネルギーに関する、今後の展望についてもみていきましょう。

課題としては、日本の主なエネルギー源は石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料であり、国内自給率が低い点があげられます。
さらに、2013年の東日本大震災を機に、エネルギー自給率の悪化、温室効果ガスの排出量増加という現状もあります。

課題も多くありますが、再生可能エネルギーを主力電源とすること、温室効果ガスを削減することを2030年までの目標としました。
背景としては、2015年のパリ協定により、温室効果ガス削減目標が掲げられたことや、カーボンニュートラル達成に向け世界各国で目標を設定し、取り組んでいることがあげられます。

日本においても、2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すことを宣言しました。

まとめ

再生可能エネルギーの種類をはじめ、代表的な再生可能エネルギーの特徴や今後の展望についてもご紹介していきました。

自然を資源にした再生可能エネルギーには様々なものがあり、今後ますます注目を集めていくことでしょう。
コスト面や安定供給にはまだ課題もありますが、資源の国内自給率を高めることや二酸化炭素排出量の削減、カーボンニュートラルの達成のためにも、再生可能エネルギーの普及は重要なミッションでもあります。企業としての役割も重要視されてきていますので、今一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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参考資料

資源エネルギー庁  再生可能エネルギーとは