再生可能エネルギーの問題点とは?課題や今後の動きについて解説

2023.02.02
ESGカーボンニュートラル再生可能エネルギー

世界中では再生可能エネルギーの導入が進んでおり、日本政府としても推進しています。
企業における再生可能エネルギー化への取り組みも重要視されていますが、問題点が多いことも事実です。
そこで本記事では、再生可能エネルギーの問題点をはじめ、課題や今後の動きについても解説していきます。

  カーボンニュートラルへ向けた、

企業が取るべき具体的アクションとは?

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、エネルギー資源が永久に枯渇しない、温室効果ガスを排出しない、二酸化炭素を増加させないエネルギーを指します。
地球上のどこにでも存在している、自然由来のエネルギーを活用できることが特徴です。

地球温暖化への対策、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーへの関心は高まっており、再生可能エネルギー化に向けて各国で積極的な取り組みが行われています。

再生可能エネルギーの問題点

再生可能エネルギーには、多くの問題点も残ります。
詳しくみていきましょう。

電力の安定供給が困難

自然の資源をエネルギー源としていることから、季節や土地柄によって発電量に差が出てしまい、供給が不安定になる可能性があります。
発電量の調整が難しく、需要に合わせて必要量を発電することができません。

発電コストが高い   

コスト面にも課題があり、火力発電と比較して発電コストが割高になっています。
様々な制度を導入し、価格低下、コスト削減に取り組んでいるものの、現状として発電コストの低減化は進んでいません。

地理に制限がある

再生可能エネルギーを発電するためには、大きな設備が必要です。

堺太陽光発電所と堺港発電所(火力発電所)を比較すると、火力発電の設置スペースは太陽光発電の約半分であるのに対して、発電電力量は約1,300倍にもなります。

また、電力が持続的に確保可能な地域に設置できるとも限りません。 地理的な課題も多く残ります。

 再生可能エネルギーの種類

再生可能エネルギーには様々な種類があります。
代表的なものについて、特徴をみていきましょう。

水力発電

水を高いところから落下させることで生まれる位置エネルギーを活用し、水車を回転することで発電します。
電力へのエネルギー変換効率が約80%と、再生可能エネルギーの中では最も高い発電方法です。

風力発電

風の力で風車を回し、その回転エネルギーによって発電する方法が風力発電です。
電力へのエネルギー変換効率は、約30%~40%となっています。

太陽光発電

太陽光の熱エネルギーを利用して、電気に変換する方法です。
都市部でも比較的導入しやすく、日本では最も普及している再生可能エネルギーと言えます。

バイオマス発電

家畜や動物の糞尿、食品廃棄物、廃材などの生物資源を直接燃焼したり、ガス化したりすることで、タービンを回し発電する方法です。 廃棄物の再利用もできることから、SDGsなどが目指す循環型社会にもつながるエネルギーとして期待されています。

地熱発電

地下1,000~3,000mの場所から汲み上げた蒸気や熱水を利用して、タービンを回し発電する方法です。
昼夜を問わず発電することができ、電力が安定供給できることからも期待されています。

再生可能エネルギーのメリット・デメリット

再生可能エネルギーのメリット、デメリットについても、理解していきましょう。

再生可能エネルギーのメリット

1つ目のメリットとして、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量が少ないことがあげられます。
パリ協定に基づき、各国で削減目標の達成に向けた取り組みが行なわれており、再生可能エネルギーの普及は重要な役割を担っています。

2つ目は、エネルギー自給率の向上が期待できることです。
再生可能エネルギーは、自然資源をエネルギー源としています。
資源の乏しい日本において、エネルギー自給率を向上できるかどうかは、再生可能エネルギーの普及に左右されると言っても過言ではありません。

再生可能エネルギーのデメリット

1つ目のデメリットは、エネルギー変換効率が低いことです。
太陽光発電で約14〜21%、風力発電で約30〜40%となっており、火力発電の約42〜61%には達していません。
変換効率を高めることも、課題のひとつです。

2つ目は、発電規模が小さく、価格が高くなりやすいことです。
火力発電や水力発電と比較して、大規模な運用が難しく、価格が高くなる傾向にあります。
ただし、再生可能エネルギーが普及している国では低コスト化を実現している国もあるため、制度を整えることで価格がおさえられる可能性もあります。

日本の再生可能エネルギーの現状

日本における再生可能エネルギーの導入は10%程度に留まっており、内訳として太陽光が6.7%、バイオマスが2.6%程度となっています。
普及しない背景として、日本は再生可能エネルギーの土壌が乏しく、導入に多くのコストがかかってしまうことがあげられます。
主要国と比較しても導入は遅れており、2020年度の発電導入容量は世界第6位となっています。

各国の再エネ発電導入容量(2020年実績)

出典:資源エネルギー庁 日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」

世界の再生可能エネルギーの現状

世界的に見ても再生可能エネルギーの導入が進められており、アメリカ、中国、欧州各国、インドなどでは土壌が整ってきていると言えます。

一方、世界各国と比較すると日本での導入コストはまだまだ高く、日本で導入が進まない理由の一つとなっています。 コスト削減も重要な課題と言えるでしょう。

今後の再生可能エネルギーの動き

今後の再生可能エネルギーの動きついても、理解しておきましょう。

日本の目標

2030年度、発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を、22〜24%程度達成することを目標としました。
2050年度には脱炭素社会の実現を目標としており、積極的な取り組みが行われています。

再生可能エネルギー普及の見通し

経済産業省は、再生可能エネルギーの割合を36〜38%、経済同友会においては40%まで引き上げることを提案しています。
多くの課題も残りますが、今後さらに再生可能エネルギーの普及に向け、様々な取り組みが推進されていくでしょう。

電源構成

出典:資源エネルギー庁 「今後の再生可能エネルギー政策について」(2022/4/7)p5

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参考サイト:株式会社ホールエナジー

まとめ

環境問題への取り組みの一環として、再生可能エネルギーの普及に向け、世界中で様々な取り組みが行われています。
日本も例外ではなく、政府、企業ともに、再生可能エネルギー導入の必要性が高まっています。
一方で、再生可能エネルギーには問題点もあり、課題も多く残ります。
企業においても、再生可能エネルギーの導入の推進とともに、課題とどう向き合っていくかが重要となるでしょう。

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参考資料

エコスタイル:再生可能エネルギーとは?今後の課題やメリット・デメリット
ハピマガ:【かんたん解説】再生可能エネルギーとは?メリットとデメリットについても紹介
関西電力:再生可能エネルギーとは やさしく学べる!再生可能エネルギー
SDGS Action:4.日本における再生可能エネルギーの現状からわかる課題
アスエネメディア:再生可能エネルギーとは?デメリットや普及の必要性について解説!