再生可能エネルギーのメリット・デメリット|主な発電方法や日本の導入状況なども解説

2022.10.25
SDGsカーボンニュートラル再エネ調達再生可能エネルギー

年々、環境問題は深刻化しており、国際的に関心が高まっています。
日本においても、再生可能エネルギーの取り組みが、政府だけでなく企業にも求められるようになってきました。
そこで、本記事では再生可能エネルギーのメリット・デメリット、再生可能エネルギーの種類、今後の流れについて解説していきます。
自社の活動に再生可能エネルギーを取り入れたいという際に、ぜひお役立てください。

  カーボンニュートラルへ向けた、

企業が取るべき具体的アクションとは?

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーは、資源に限りのある化石燃料とは異なり、エネルギー源が永久に枯渇することがなく、温室効果ガスなどを排出しないエネルギーのことです。
太陽や水、生物などの自然由来のエネルギーを利用していることからも、環境にやさしいことエネルギーであると言えます。
パリ協定に基づき、資源の少ない日本にとっては重要な施策として期待されています。

再生可能エネルギーのメリット

企業にも導入を求められている再生可能エネルギーの取り組みですが、多くのメリットがあります。
どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

自然エネルギーを使い回せる

自然のエネルギーを使うので燃料費用がかからず、現在の火力発電に依存した状況を改善できる点も大きなメリットです。
また、エネルギー自給率を向上させられるといった利点があり、資源の乏しい日本においてエネルギー自給率を高めることは重要な課題と言えるでしょう。

再生可能エネルギーは、環境の力を利用するため様々な立地で電力発電が可能であり、自然豊かな環境がある日本は、再生可能エネルギーの活用を期待できます。
中でも太陽光発電や中小水力発電、地熱発電は日本の風土に合ったものだと言われています。
再生可能エネルギーは、日本の風土を活用することができ、日本のエネルギーに関する課題を解決する切り札であると言えるのではないでしょうか。

環境にやさしい

焼却灰といった有害物質、放射性廃棄物などの廃棄物を排出しないことが、再生可能エネルギーの大きなメリットです。
環境の力を利用するため、さまざまな立地で電力発電が可能な点も特徴と言えるでしょう。
特に自然豊かな環境がある日本は、再生可能エネルギーの活用を期待できます。

企業のイメージアップに繋がる

年々、環境問題は深刻化しており、政府だけでなく企業の取り組みにも必要不可欠となってきました。サービスや製品の質だけでなく、環境問題をはじめとする社会問題に対して企業がどのような姿勢を取っているかも、消費者が注目するような時代へと変化しています。
再生可能エネルギーへの取り組みは、企業のイメージアップにも繋がるでしょう。
また、インフラの構築など、新しいビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。
さらに、再生可能エネルギーは災害時に強く、電力供給が止まりにくくなるため、企業のリスク管理という面でも期待ができます。

再生可能エネルギーのデメリット

再生可能エネルギーには、多くのメリットがある一方でデメリットもあります。
取り組む前に、デメリットについても把握しておきましょう。

発電の効率が悪い

再生可能エネルギーは発展途中のため、水力発電を除いて、太陽光発電や風力発電などの発電効率は、火力発電や原子力発電よりも低いという現状があります。
電力は保存しておくことが難しいエネルギーのため、発電効率は非常に重要なポイントとなります。
エネルギー変換効率が低いことも、主力電源化をさまたげている要因であるため、今後の開発技術の進歩によって変換効率を高めていくことも重要な課題です。

発電の費用が高い

コスト面にも大きな課題があります。
発電機器の導入や設営の費用がかかり、工事費用や発電システムの基材調達などの費用がかかるためです。
しかしながら、海外ではすでに他の主力電源と同程度まで発電コストを抑えられているという現状もあります。日本においても、コストを下げることは不可能ではないと言えるでしょう。

そのためには、エネルギーの買い取り価格を法律で定める方式の助成制度である固定価格買取制度や、需要が増加することによる技術開発と導入費用の低下などが、重要なポイントとなります。

発電量が天候に左右されやすい

再生可能エネルギーは自然のエネルギーを資源としているため、発言量が天候に左右されやすいです。そのため、電力の安定供給が難しいことがデメリットとして挙げられます。
設置する環境によって発電量が左右されるため、発電効率の高い場所を調べる必要もあります。
この課題を解決するために、需要と供給のバランスをコントールするVPP(バーチャルパワープラント)と呼ばれるシステムを、実用化させる取り組みも行われています。


再生可能エネルギーの主な種類      

再生可能エネルギーには、様々な種類があります。
それぞれの特徴について見ていきましょう。

太陽光発電

太陽光から電力を作る方法で、太陽光パネルに光を当てて発電できます。
変換効率は素材や住宅用のものか、産業用のものかで異なりますが、企業や一般の住宅でも発電可能です。
固定価格買取制度(FIT)の影響などにより、一般家庭を含め最も普及している再生可能エネルギーとなっています。

水力発電

水車を回転させて発電する方法で、ダムなどで活用されています。
水が上から下に落ちる勢いを利用しており、再生可能エネルギーの中では最も発電効率が高く、電力へのエネルギー変換効率は約80%です。
日本では黒部ダムや豊稔池ダムなどが有名です。

風力発電

風車を回転させて発電する方法のため、風が吹く場所は年中電力を供給できます。
陸地に風車を置く陸上風力と、海の上に風車を設置する洋上風力の2種類があります。
電力へのエネルギー変換効率は約30%~40%となっており、再生可能エネルギーにおいては水力発電に次ぐ高さです。

バイオマス発電

廃棄物の再利用にも繋がることから、SDGsの面からも関心が高まっているものが、バイオマス発電です。
バイオマス発電は、家畜などの糞尿や食品廃棄物、廃材などの生物資源を利用した発電方法で、2種類に分けられます。
木材や生ごみ、廃油などを燃やして水蒸気を作ることでタービンを回す蒸気タービン発電と、バイオマスから出たメタンガスを燃料に、ガスタービンやガスエンジンを回転させて発電するガス化発電です。発電時に二酸化炭素を排出しますが、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルに該当するため、再生可能エネルギーとして分類されています。

地熱発電

地熱発電も2種類の発電方法があります。
地下1,000~3,000mから出る蒸気や熱水を使って、タービンを回して発電するフラッシュ方式と、水より蒸発しやすいペンタンなどの媒体(液体)を地下熱の蒸気で蒸発させて、 タービンを回して発電するバイナリー方式です。
日本は火山大国であり、地熱発電エネルギー量は世界第3位の上位国です。
他国と比べて、地の利を利用した発電が可能であると言えるでしょう。

雪氷熱利用

北海道などの降雪量が多い地域に限定されますが、雪や氷を貯冷庫などに貯蔵して、夏期などに冷気を作る再生可能エネルギーです。
倉庫に雪や氷など保管して農産物を保存したり、雪や氷の冷熱を循環させて冷蔵庫や冷房代わりに使用したりする方法があります。
雪氷熱利用によってジャガイモなどの糖度が増したという事例もあり、発電の面以外にもメリットがあると言われています。

 

再生可能エネルギーの現状

日照時間や風量などによって、日本では再生可能エネルギーの導入が遅れている現状があります。
また、平野部の少ない日本では、導入に至る過程が欧米とは異なることや、発電機メーカーや発電事業者など、流通構造や取引の慣行の非効率さが問題になっています。

日本と海外の再生可能エネルギーの比較

2017年、日本の再生可能エネルギー比率は約16%で、2020年度は総発電量の20.8%まで上昇しました。2030年には、22%〜24%まで引き上げることを目標としています。
フランスは2030年に40%、ドイツは2035年に65%を目指しており、欧米諸国と比較して日本はまだまだ遅れている現状があります。

再生可能エネルギーの今後の流れ

欧米の取り組みと同じく、日本も再生可能エネルギーの普及に取り組み始めています。
2025年には6.2円/kWhとコストが半減すると予想されており、発電コストの削減によって、日本に再生可能エネルギーが広まる可能性もあります。
また、固定価格買取制度(FIT制度)などで、電力の買い取りが活発になることも期待されています。

企業の活動にも再生可能エネルギーが必要

日本の大手企業はRE100(企業連合)に参入し、企業価値を高めています。
また、環境省が再生可能エネルギーに取り組む企業をPRするなど、企業の価値をアピールする場所も増えてきています。
さらに、再生可能エネルギーの利用により、税率の軽減や、補助金の支給などのメリットもあります。企業の取り組みに対して、国や消費者の関心が高まっていることが伺えます。

まとめ

欧米に比べてまだまだ遅れていますが、日本においても再生可能エネルギーの普及が進み始めています。
それに伴い、再生可能エネルギーの取り組みが、政府だけでなく企業にも求められるようになってきました。
導入にあたり、メリット、デメリットとありますが、企業がどのような取り組みをしたかが企業価値へ繋がるような時代へと変化している現状もあります。
再生可能エネルギーについて知見を深め、どのような手段であれば自社にも取り入れることができるのか、今後を見据えて検討することをおすすめします。

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参考資料
再生可能エネルギーの長所・短所は?  ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社
【かんたん解説】再生可能エネルギーとは?メリットとデメリットについても紹介 日東エネルギーグループ ハピマガ
再生可能エネルギーのメリット・デメリットは?  gooddo株式会社

再生可能エネルギーとは?今後の課題やメリット・デメリット 株式会社エコスタイル

再生可能エネルギーとは?企業のメリットと今後の課題 エバーグリーン・マーケティング株式会社

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