知っておきたい電力調達の基礎知識(3)再エネ賦課金

2020.11.17
用語解説

2012年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が導入され、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及を後押しされました。固定価格買取制度においては、電力を買取る際の費用を国民の電気料金に上乗せする形でまかなっております。これを「再エネ賦課金」と呼んでいます。

再エネ賦課金は再生可能エネルギーの普及促進を目的としています。再生可能エネルギーの普及が進むと化石燃料の依存軽減にもつながります。これにより燃料価格変動による電気料金の高騰を抑えられるというメリットがあります。

再エネ普及により電気料金単価が下がるという恩恵を受けられることから、電力会社から電気を買取ったすべての国民から再エネ賦課金を徴収しています。つまり再エネ賦課金の制度は太陽光発電や水力発電、風力発電、地熱発電、バイオマス発電といった再エネによって発電された電気を電力会社が買取り、買取に要する費用は電気を利用するすべての国民が負担する制度なのです。

また、電力会社が再エネ発電事業者から買取る価格は長期の固定価格であり、その中には事業者の一定の利益も考慮されています。再エネ事業者が投資目的として安定的に収益をあげられるように価格設定がなされています。事業者としては、再エネの発電設備建設コストの回収の見通しが立てやすくなり、普及がより進むと期待されています。

価格は、有識者で構成される調達価格等算定委員会の意見を踏まえて毎年、経済産業大臣が決定します。その前提となるのは再エネ買取制度による買取費用です。再エネ買取価格はそれぞれの再エネの普及状況や事業コストなどを踏まえて検討され、買取価格に基づいて再エネ賦課金の単価が算定されます。

【従量制供給の再エネ賦課金 単価の推移】

2019年度分 2.95円/kWh
2018年度分 2.90円/kWh
2017年度分 2.64円/kWh
2016年度分 2.25円/kWh
2015年度分 1.58円/kWh
2014年度分 0.75円/kWh
2013年度5月分以降 35銭/kWh
2013年度 4月分 22銭/kWh
2012年度8月分以降 22銭/kWh

(図:出所)資源エネルギー庁HPより

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