脱炭素社会の実現に向けた、再エネの追加性について考える。

2021.06.29
ESGSDGsカーボンニュートラルコーポレートPPA再エネ調達再生可能エネルギー太陽光発電

~はじめに~

近年、2050年カーボンニュートラルに向けて、RE100などのような事業活動を再エネ100%に賄うことを目指すイニシアチブへの参加企業が増えるなど、日本企業の再エネ導入への意欲は高まっていると感じます。

また、このような動きで先行する欧米では、環境価値クレジットの購入や電力会社の再エネメニューの利用など、既存の再エネ電源からの調達に留まらず、需要家企業が再エネ開発や普及に関与する「追加性」の高い再エネ導入に関心が移っています。 今回は、そんな脱炭素社会に向けた「追加性」というものについてについて考えていきたいと思います。

再エネの追加性とは

「追加性」という言葉は、普段あまり耳にされない方も多いかもしれません。
「追加性」とは、端的にお伝えしてしまうとその再エネ導入によって世の中の再エネが増えるかどうかということです。

具体的に言い換えるならば、

自らの再エネ導入に際して、新たに発電設備などを導入することにより、世の中に新たな再エネ電源を作り出すことと言ってもよいかもしれません。

現在、再エネ調達については、その手法や取り組みが数多く存在しています。

各社の取り組みとして一般的に多いのは各電力会社から電力調達に際して非化石証書やグリーン電力証書、Jクレジットにより環境価値を付加する方法が比較的よくみられています。RE100や温対法においての報告にも対応することができるため再エネ導入や脱炭素化を目指す企業にとって、電力会社との契約の見直しで対応することが可能です。

しかし、その中で、もっと広く世の中の再エネについて考える「追加性」というものに重点を置くのであれば、取り組みとして、太陽光パネルの設置によるオンサイト発電(自己資産)、オンサイトPPA(他社資産)、オフサイト自家消費(自己託送)やコーポレートPPAなどの方法が有効とされています。

この考え方のもとに行う再エネ調達は、より再エネの需要を市場に発信することになり、発電施設などの建設やより多くの再エネの供給につながります。

今後2050年カーボンニュートラル達成に向けての取り組みとして、非常に大切な考え方となっているといえるでしょう。

具体的な追加性のある再エネ調達

「追加性」という考えにおいて、ただ闇雲に再エネを調達するだけでは脱炭素社会の実現はありえません。その場しのぎの取り組みだけではなく、長い目で見た取り組みはESG投資の観点からも企業のイメージ向上など非常に有効な手段といえます。

この「追加性」の高い再エネ調達をしてこそ初めて胸を張ってカーボンニュートラルに取り組んでいるといえるのではないでしょうか。

前述させて頂いた通り、実際に太陽光発電システムを使用する自己託送やコーポレートPPAは「追加性」という意味でも非常に有効な取り組みだといえるでしょう。※1

 

しかし、太陽光パネルの設置場所なども無限に存在しているわけではございませんので、「追加性」の高い再エネだけで企業が経済活動で使用する電力をすべて賄うのは中々難しい状況です。

そのため、小売り電力会社からの再エネ調達と組み合わせることで追加性のある再エネ調達を行うことは、取り組みとしても多くなっています。

弊社ホールエナジーにおいては、業務提携により追加性の高い再エネ調達とコスト削減を両立できるようなスキームを組んでおります。※2

 

アライアンス企業と連携することにより、コーポレートPPAなどの「追加性」高い再エネ調達をご支援させて頂いております。また、同時に太陽光発電などでは賄えきれない切れない残りの電気についても再エネオークションにより適切な再エネ調達を可能にしています。

各企業ごとに脱炭素化に向けて取り組む目的やCO2の削減目標や達成までのスケジュールも異なるため、それぞれに合った再エネ導入の方法を考えなければならない状況になっています。

追加性の概念の解釈、判断基準とは

追加性という考え方により、自然エネルギーの発電設備を新たに追加することによって、今後化石燃料由来の電力の代替が加速していくことが予想されています。

しかし一方で、追加性を判断する基準が国内・海外ともに統一されていない状況にあります。発電設備の運転年数のほか、電力・証書の販売収益などによって追加性を認めるといった考え方もあります。

具体的には、追加性の判断基準は主に3通りあります。

①自然エネルギーの発電設備を建設(あるいは建設プロジェクトに参画)して、発電した電力を利用する。

②運転を開始してからさほど時間が経過していない自然エネルギーの発電設備を対象に電力・証書を購入して、発電設備の投資回収を支援し、次の建設プロジェクトの開発を促進する。

③運転中の自然エネルギーの発電設備から電力・証書を購入することで、その発電設備が運転を継続できるように支援する。

本来の「追加性」の解釈においては、①のみなのですが、②と③のような拡大解釈によって自然エネルギーの発電設備を幅広く支援するといった考えもあるようです。

現在の日本では、本来の「追加性」である①ケースで考えるのであれば、
やはり自家消費やコーポレートPPAは「追加性」の高い再エネ調達方法としては、非常に最適な方法といえるのではないでしょうか。

まとめ

今回は「追加性」という考え方の元、再エネ調達を考えてきました。
お取り組みの上でどこに重点を置くかによってお取り組みも変わってくるかと思います。

改めて、「追加性」とは企業自らが再エネの発電そのものに貢献しているか問うものであり、そこへの取り組みは日本における2050年カーボンニュートラル達成を大きく推し進めるものになります。

弊社、ホールエナジーでは新たな新サービスとして追加性のある電力と需要家の方をつなぐサービスをご提案させて頂いております。※3

 

この「追加性」の高い電力調達をしてこそ初めて胸を張ってカーボンニュートラルに取り組んでいるといえるのではないでしょうか。

もちろん、小売りからの再エネ電力調達など様々な方法でのお取り組みに柔軟にご対応することも可能です。

お客様の状況に合わせて取り組みの方法も多種多様ではございますので、
まずはお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。